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週刊少年ジャンプの打ち切り漫画レビューブログ

【打ち切り漫画レビュー】鏡の国の針栖川

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こんにちは、takaです。

 

今回は2011年31号から連載が開始され、2012年11号で連載終了となった「鏡の国の針栖川」のレビューをしたいと思います。

なかなか長期連載のラブコメがない中で、いよいよ正統派ラブコメの”叶 恭弘”先生の連載が始まるということで期待されたのですが、やはり長期連載とはなりませんでした。

主人公が鏡の中という限られた行動範囲の中でどうなっていくのか・・と思っていましたが、全体を通してなかなか面白い作品だったのですが。

 

 

主人公は鏡の中!?珍しい設定のラブコメ

 

主人公・針栖川哲(はりすがわ てつ)は、同級生の里見真桜(さとみ まお)に片思いする高校生。

小学生の頃の”ある出来事”がきっかけで、2人は良好な友人関係を保っていた。

ところがある日、真桜を事故から救おうと身を挺した時に、彼女がリサイクルショップでたまたま購入した不思議な鏡の中に閉じ込められてしまう。

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その鏡の名は「愛牢鏡(ラブミラー)」

そこから脱出するには、”ある条件”をクリアしなければならなかった。

2人で協力しながら、鏡からの脱出方法を考えるのだが・・・・。

果たして針栖川は鏡の中から無事に脱出することができるのだろうか?

 

最初は主人公が”鏡の中”という制限がかけられた中で、どのように話を展開していくのかなあと思っていましたが、ちょこちょこと鏡に関するルールを追加していくことで話を膨らませ、上手く対応していたような印象がありました。

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そういえば、前作の「エム×ゼロ」も”学園でしか魔法が使えない”といったようなルールがあったと思ったのですが、そういう面白そうだけれど、後々、自分の首を絞めかねないような制限設定をかけるのがお好きなのでしょうか。

 

 

なぜ打ち切りになったのか

 

針栖川と真桜の両方に好感の持て、鏡の国の設定も面白く、「鏡の中は嫌だけど、好きな子と一緒にいられるのは羨ましい」と思わせるような展開の数々・・・よくできていて面白いなと思える作品でした。

が、やはり長期連載とはなりませんでした。

 

やはり鏡の設定が苦しい①

 

主人公である針栖川が鏡の中に閉じ込められるという前途多難な設定は、これからどうなるのだろう?ととても気になるし、常に2人でいなければいけないというドキドキするような状況づくりや、”鏡のことはバレててはいけない”というルールにより、真桜と針栖川が”2人だけの秘密”を持っているというところも、恋愛要素を盛り上げていて良かったのではないでしょうか。

また「鏡のことはバレてはいけない!」というルールは、二人をドタバタさせてコメディ部分にも十分に生かされていたと思います。

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ただ、さすがに主人公を”鏡の中だけ”で話を進めていくのは辛いと判断したのか、すぐに「他の鏡には移動できる」「他の人が入れば抜け出すことができる」という都合のいいルールが追加されてしまいました

これによって、色々と行動の融通が利くようになった反面、”鏡の中”という過酷な設定が薄くなってしまい、閉じ込められているという危機感がなくなっていったのは残念でした。

そんなこともあってか、徐々に鏡の中の描写は少なくなっていき、結局”鏡の中”という重要な設定が序盤にして「女の子の着替えを覗く」「お風呂を覗く」といったお色気シーンを引き出すためにしか使われていないように感じてしまいました。

 

 

やはり鏡の設定が苦しい②

 

まず鏡の中に閉じ込められていることが他人にバレてはいけない、ということで常に針栖川と真桜が行動を共にする必要があります。

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2人は常に一緒。

 

そして鏡の謎を解き明かすには、どうしても2人で考え、2人で語らないといけない場面が多く必要になってきます・・・そんな設定上、この2人がいないとそもそもの話が進まないために、他のキャラが目立つことがありませんでした。

序盤に友達の女性キャラ数名、中盤に男キャラ2名が出てきますが、やはり話に大した変化を生むわけでもなく・・・。

もしかしたら、鏡からの脱出を阻む敵キャラのようなものが出てくるのかなとも思っていたのですが、特にそういう要素もなく・・・。

主人公たちでどうにか話を進めることしかできなかったため、結果的にすごく小さくまとまってしまっていて、盛り上がるところがなかった印象でした。

 

 

制限された世界はジャンプでは面白く感じられなかったのでしょうか。

確かに好意的に読まないと細々した設定は受け入れづらいかもしれません。 

設定でだいぶ苦労したのだろうなと感じる漫画ではありましたが、それでもしっかりと肝心の恋愛部分を描いているところは、さすが叶恭弘先生。

最後はしっかりとまとめ、今まで悪でしかなかった”ラブミラー”も最後で救われる場面は良かったです。

なかなか凝った設定、そしてとにかく嫌な奴が一人も出てこない漫画なので気軽に読むにはいいラブコメなのではないでしょうか。

打ち切りになってしまったものの面白い作品です。